発展
コラム
★実戦で使える将棋の格言5選【その2】
格言とは、人生の真実や機微を述べ、万人への戒め・教訓となるような簡潔にした言葉を言います。
また、将棋の世界にも数多くの含蓄ある格言が残されています。これらを活用しない手はないと思うので紹介していきたいと思います。
細かく見ると将棋の格言は、以下の2通りのタイプに分類ができます。
①コレはしない方がいい
②この場面では、こう処理したほうが良くなる
今回は、初心者の人が知らない「②この場面では、こう処理したほうが良くなる」と思う格言を5つ選びたいと思います。
よければ、実践で使える将棋の格言5選【その1】で「①コレはしない方がいい」タブー5選を書いていますので合わせてご覧ください。
>>Next:実践で使える将棋の格言5選【その1】
(1)金はとどめに残せ
持ち駒の金将は価値が高くて活躍の場は多いが、相手玉を詰ますために必須となることも多いので、特に終盤では温存しておきたいという意味です。
「頭金」をはじめ、代表的な詰み形は金将を使うものが基本となるため、終盤の持ち駒管理には注意を払いましょう。
(2)角には角
相手の角の利きは、角を合わせて遮断すると良い場合が多いです。
振り飛車側がカウンターとして、相手の飛車先に自陣の飛車を相対するように移動するのと同様に、角も相対するように使うと相手の出方に対応しやすくなります。
(3)桂先の銀定跡なり
相手の桂馬と向かい合うように銀将がいる形は、桂馬の働きを制限できるとともに、桂馬が質駒になっているため良いと言われています。
銀将が優れているのは、相手の桂馬が跳ねても跳ねなくても、駒交換に持ち込みやすい点です。
仮に相手がすぐに攻めてこなくても、自分の好きなタイミングで桂馬を取ったうえで、それを使って攻める含みなどが生じているのが優れています。
他に持ち駒の銀将が必須になる場合を除いて、桂先の銀は打っておいた方が手堅く、悪手になる可能性は低い極めて実践的な含蓄があると思います。
(4)三歩持ったら継ぎ歩と垂れ歩
持ち駒に歩兵が3枚あれば、歩兵を使って相手陣を崩す手順が生じている可能性があるという意味です。
例えば、垂れ歩が実現すると打ち込みを狙って駒交換を挑みやすくなるが、なかなかその隙が生じることはない。
しかし、「継ぎ歩」をして相手の歩兵を上ずらせれば、攻めの隙が生じやすくなります。
「(盤上の歩の)突き捨て」⇒「継ぎ歩」⇒「垂れ歩」だと、持ち駒に歩兵が2枚あれば可能です。
加えて、別の筋で「突き捨て」⇒「叩きの歩」としておけば、攻める突破口のきっかけもなります。
▲2四歩打、△同歩、▲2五歩打、△2五同歩、▲2四歩打
また下図では、次に▲2五飛と歩兵を取り、▲2三歩成を目指すのが速い攻めです。
(5)端玉には端歩
端へ逃げた相手玉に対しては、その筋の歩兵を突いて攻めれば、自陣の香車の利きが強くなるで厳しい攻めになりやすいという意味になります。